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俳優、石田延之こと鏡京太郎が綴る36年間、鏡の中に封印してきた想いと未来を綴るぺーじ。
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 出版社を訪れるのは初めてではありませんが、自分が書く本となると別です。気分は原稿をもって歩きまわる駆け出しの小説家気分。結構、緊張してました。
心配していたのは、同じようなものの考え方、見方をしてくれる人が担当さんになってくれるかどうか…あと、よくある特撮のデータ本を考えられると困るなぁということでした。あまり、こだわりの強いほうではないのですが、やっぱり「ミラーマン」は特別だったのでしょう。ここだけはゆずれない…というものもあったのだと思います。
こうして、羽田インベーダーズの片方、つまり大澤さんとお会いしたのですが…はっきりいってオタクでした。それも特撮系だけかとおもったら完全な映像おたく。様々な編集の方と会う機会がありましたが、「ミラーマン」の話をあまりしない人も珍しい。
「昨日、予行演習に『賞金稼ぎ』見てたんですよ。石田さん、変わらないですね」
『賞金稼ぎ』というのは、若山富三郎さん(勝新太郎さんのお兄さん)主演のウエスタン風時代劇です。たしか、最終回で仲間が殆ど死んでしまうというお話でした。
僕の出ていた、他の作品もよく憶えてるんですね。じゃ、ミラーマンに興味がないのかというと
「最初に出たLDのBOX買いました。飽きるほど観ました。それにこれからのインタビューとかで、また飽きるほど観るようになると思いますよ」と。
短い時間でしたが、お話をして最後に社内用の企画書というものを見せられました。驚いたのはその題名が「さよならミラーマン」だったことです。本人は「時間がないので勢いで、思いつきでつけた仮題です」
と照れてましたが、同じこと考えてたんだと吃驚。
その後なんどか打ち合わせを繰り返し、この本を出す会社と担当さんが決まりました。
出ると決まると、さぁ色々と大変なわけです。
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 一気に寒くなりましたね。風邪ではないのですが鼻がぐずぐずします。みなさんも体調管理に注意しましょう。

さて、今回の本で当時の関係者にインタビューするとき、必ず用意していたのがDVD。映像が流れていると確かに、会話よりも当時の記憶はまざまざと蘇ってくるものです。楽しかったこと、痛かったこと、熱かったこと…などなど。
スーツアクターだった西条さんと再会したとき、彼の口から
『あぁ俺こいつと戦ったことがある』
という台詞が飛び出た時はなんとはなく、周りの皆がうれしそうな顔をしていましたっけね。
51話分のエピソードを眺めながら、まずは様々な記憶が浮かんできます。これをメモ書きのように残していきました。ただ、当初の目論見のように1日1話というわけにはいかず、なんだかんだと時間をかけて見ていきました。
最終回を見ているとき、我ながらいい終わり方だなぁ…と目を細めていることに気が付きました。
冷静に考えると、戦いも終わり、さぁ明日からは毎日朝子さんとデートとかにやついてるところに、死んだはずのお父さんから呼び出され、博士にはあっさり「お返しします」と言われたわけですから、定時で帰ろうとしたのに残業をいいつけられたサラリーマンみたいな気分なのですが。
でも、いいおわりなんですよね。どこか余韻が残る終わり方です。あの撮影が終わったときのことを思い返していました。一つの番組が終わったときの、何か使命を終えて、新しいものへチャレンジしようと心を切り替える時です。その気持ちは、生涯変わらないものです…。そう思った日。鏡京太郎というキャラにもう一人の自分を、永遠に変わらない想いを込めた日。頭に浮かんだのは最終回のタイトルのなんと素晴らしいことか!という思いでした。 
それから少し日を置いて、担当の編集さんと初めての顔をあわせることになったのです。実はこのとき、一つだけ心配なことがあったのです。
引っ張ってすいません。つづきます。

なんか、山の上の方は紅葉が見頃みたいですね。行きたいですねぇ。
…どう思われますか? と言われてもなぁ。そんな悪いことする人には見えなかったけどなぁ…京太郎…というより
「しるかそんなもん」(本当はもっと丁寧な言葉でしたが)。

…え?前にも聞いたって?大丈夫。別にぼけたわけではありませんので。そう、それで電話を切ってあれやこれや考えるうちに、僕の知っているミラーマンのことを書けばいいんだ、と決意したわけです。
全部で51話でしょ。1話ずつの想い出を書いていったって1日、1コメントとして51日。なんだ、2か月もありゃ本できるじゃない、と思ったのです。その時は。
でもねぇ、これが出来ない。パソコンを前にしてもなんにも浮かんでこない。VAPさんから出てる「ミラーマンCompleteBox」の特典でご一緒した、工藤堅太郎さんもしきりに「そうだっけ?」を連発してらしたけど、今ならその気持ちがよく分かります。言葉だけでは、頭の中になかなか当時が浮かんでこないものなのです。

この頃には既に「ミラーマン大全」という詳細極まりないデータ中心の本があったので(僕もインタビューを受けています)、まずこれを改めて読み返しました。
「へぇ~そうなんだぁ」「あの回の視聴率ってこれぐらいだったんだぁ」と驚くことはあるのですが、やっぱり像が浮かんでは来るのだけど、まだピントが合っていない状態が続いていました。

せっかくですから、この機会に30有余年ぶりに「ミラーマン」を見ることにしました。DVDを手に持ってかざすと、裏面には当然僕の顔が映ります。
「あの頃はこんな便利なものなかったよな」
こうして僕は久しぶりに、鏡京太郎と相まみえることになったのです…。
すっかり過ごしやすくなってきましたね。というより単純寒い
大体、正義のヒーローというのは寒いのに弱いようですね。そんなわけで鏡京太郎も風邪は治りましたが、まだ本調子じゃないみたいです。
さて、この本を書くいきさつですが…、元々は巻末についている小説をなんとか世に出したいと思ったのがきっかけでした。実際は、かなり実在する固有名詞なんかが出てきていたのですが、そういったものも含めて、実際に行ってみたり、調べたり、警察に電話したことも何回もあります。描写として、説明が多いのは、元々脚本を想定していたので、ト書きの部分が多かったせいもあります。
この小説をまず知り合いの編集に携わる方々に見てもらいました。そこでよく言われたのが「ミラーマンの話も訊きたい」というものでした。
ところが、当初はこれになかなか自分が乗れなかったのです。かっこよくいえば鏡京太郎の時間は止まっているからです…36年前に。役者というものは、例え自分の代表作であっても、過去の話をするのも、されるのも好まない…という人は多いです。その瞬間に力を注いでいるので、終わったらまた別のキャラクターに力を注ぎます。だから、終わったキャラに執着しているべきではない…という考え方ですね。
僕の場合、ポリシーなどという固っ苦しいものではなく演じた役柄が、自分とダブらせていた分、終わったときに余計凍結したかったのかもしれません。凍結した京太郎は…時間を…年齢をとらない。
けど、実際の僕は年齢をとるのです。であれば、僕だけでなく様々な人々のアイディアも盛り込まれたミラーマン=鏡京太郎は自分だけのものでなく、愛してくれたファンの皆さんのものでもある。だから、僕の中では凍結していた…のだと思います。
で、話は前後しますが、小説にミラーマンをどう絡めるのか、本にするのならどういう本にまとめればいいのか…など考えていた矢先に電話がかかってきたわけです。
「ミラーマンが捕まったんですがどう思われますか?」
 なんだか、咳が止まりません。やっぱ風邪をなめてはいけませんね。
ありがたいことに、本の問い合わせをいただきます。「買ったよ!」「見たよ!」「置いてあったよ!」「うちの近所にはないよ!」「見つからない!」…。
あのぉ、みつからないの僕に言われてもなぁ。
ところで、友人とかからよく聞かれるのが
「どうして、さよならなんですか?」
本を出す際に、出版社ではまず企画書というのを作ります。これが会社内で通らないと本は出せません(多分)。この企画書の段階で、題名を一応入れておきます。仮題ですね。その仮題が「さよならミラーマン」でした。気がついたらそのまんま題名になっていた…というわけではありませんヨ。
仮題をつけた編集の人も当初は変えるつもりだったのだそうですが、この題名一番最初に気に入ったのが僕だったのです。
色々な話し合いの中で「さよなら=決別というのは後ろ向きにとらえられそう」という声はよく聞きました。ただ、僕が比較的に頑固に「変えたくない」と固辞したのがこの題名だったのです。
文章にすると難しいのですが、個人的に「さよなら」という言葉が「別れ」とは別の意味でこだわった部分なのです。この題名が決まるまで(僕の中ではこれで決まっていたけど)がそのまま編集メイキングになりそうです。
というわけで、しばらくは「さよならミラーマン誕生」(変だ…)と題して、本が出来上がるまでを追いかけてみましょう。
羽田インベーダーズは「恥ずかしいから嫌だ」と笑ってましたが、こちらは初めての本を作る作業ということで、興味津津だったのです。
つづく。
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 現在、発売中の『さよならミラーマン』の86頁ー当時の制作主任、設楽氏と助監督、北村氏の対談において以下の件~ ”~志村さんは、下に優しく上には厳しい人なんです。絶対お世辞を言わない、珍しい人でした。損と言えば損ですよね。世渡りベタというか。あ、この人も出世しない人だ(笑)。*(山浦さんとの対談参照)  とあります。これは脚本家の山浦弘靖氏との対談において設定上「出世しない人」という言葉があり、それにリンクするものとして捉えておりましたが、86頁においてもスタッフ思いであり、スタッフの為に上にも媚を売らない凛とした性格ーそれ故にスポンサーなど上とはぶつかることも多く、才能があるのに出世はしずらいー という意味として対談時の通り記述させていただきました。  ですが、とらえようによっては誤解を招く文章でもありますし、また発言者となった北村氏にもご迷惑をかけかねない要素も含まれておりますので、ここに弁明並びに不用意な文法となったことをお詫び申し上げます。また、この文章を読まれて御不快に思われた方には、真意は異なるということと、不用意な文法である点に関してお詫びを申し上げるとともに、ご理解賜りたくここに敢えて記載させていただきます。 株式会社大洋図書  「さよならミラーマン」編集スタッフ一同
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