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俳優、石田延之こと鏡京太郎が綴る36年間、鏡の中に封印してきた想いと未来を綴るぺーじ。
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関東一円を地震が襲った。そからしばらくの時が流れた。

そこは、暗闇だった。

闇はどこまでも続いていた・・・・・。

 嶋は、在るともわからぬ出口を求め暗渠の中を彷徨いながら、鏡の中に閉じ込められてからの事を思い返していた。

 

ハイジャックを阻止するため、嶋暁彦は鏡の世界へと飛び込んだのだった。
ジャックされ羽田空港に緊急着陸したTAR351便。
そのトイレの鏡から出ようとした時であった。
鏡の中の空間が波打ち始め、辺りに浮遊するガラスの窓枠が蠟燭灯が溶けるかのようにどろりと融解し始めたのだ。

 突然の現象に驚いたが、嶋は改めて機内トイレに備え付けられている鏡に向かい、目出し帽を頭からかぶると、体を押し付けた。ところが、押し付けた体は跳ね返され鏡の中から出る事が出来なかった。
何度試みても嶋の体は跳ね返されてしまう。

「何故だ!」

 不安が渦のようにとぐろを巻く。
だが急がなければ、ハイジャック犯は何をしでかすか分からない。嶋は別の鏡へと向かった。

 覗くとそこからは機内の様子がよく見える。客室前方に取り付けられている鏡のようだ。

 嶋は、内部の様子を窺った。

 銃を持った大男が三人通路に立ち、客たちを威嚇していた。客たちは、恐怖に顔を引き攣らせ恐れおののいている。

 と、突然機内の空間が歪み始めた。

乗客たちは、人質にされている恐怖と周りで起きた奇怪な現象に恐れおののいている様子が見える。

そして、歪みの中に出来た裂け目から液体のようなドロドロとした黒い物体が現れた。機内はパニック状態になっている。

歪の中から湧き出るように床に流れ出た黒い液体は、徐々に人の形を模って行き甲冑に似た衣装をまとった小男の姿になった。

 小男は、雪村幸男であった。 

「雪村!・・・生きていたのか!」

 死んだと思っていた雪村が生きていた。

嶋は愕然とした。
かつて、病院地下で対峙した雪村。今度は何をするつもりなのか?

とにかく、急ぎ現世に出ようとガラスの窓枠に体を押し付けた。

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★ プロフィール
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1971/12/05
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 現在、発売中の『さよならミラーマン』の86頁ー当時の制作主任、設楽氏と助監督、北村氏の対談において以下の件~ ”~志村さんは、下に優しく上には厳しい人なんです。絶対お世辞を言わない、珍しい人でした。損と言えば損ですよね。世渡りベタというか。あ、この人も出世しない人だ(笑)。*(山浦さんとの対談参照)  とあります。これは脚本家の山浦弘靖氏との対談において設定上「出世しない人」という言葉があり、それにリンクするものとして捉えておりましたが、86頁においてもスタッフ思いであり、スタッフの為に上にも媚を売らない凛とした性格ーそれ故にスポンサーなど上とはぶつかることも多く、才能があるのに出世はしずらいー という意味として対談時の通り記述させていただきました。  ですが、とらえようによっては誤解を招く文章でもありますし、また発言者となった北村氏にもご迷惑をかけかねない要素も含まれておりますので、ここに弁明並びに不用意な文法となったことをお詫び申し上げます。また、この文章を読まれて御不快に思われた方には、真意は異なるということと、不用意な文法である点に関してお詫びを申し上げるとともに、ご理解賜りたくここに敢えて記載させていただきます。 株式会社大洋図書  「さよならミラーマン」編集スタッフ一同
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